―治療例のご紹介―

ストレス性の湿疹(抜粋)

【患者】57才

<第一回目:初診> ●●年 11月 10日

【主訴】湿疹と痒み

【現病歴】数か月前から痒みを伴う湿疹が出てきた。3回目の罹患。皮膚科を受診しているが良くならない。前回は、ステロイド剤も塗布したが良くはならなかった。痒みの為に夜も満足に眠れない。治ってもまた、4回目の罹患があるのではと不安になる。

【身体所見】身長 178㎝ 体重 83㌔

全身にわたり湿性の発疹(頸以下)。下腹部の萎え。浅い呼吸。

【治療前】


【服用漢方】治打撲一方・補中益気湯・石膏(いずれも少量)

【問診】痒くて眠れない。

【鍼灸治療】

まずは、患者様に眠れる時間を多く持っていただくことを、目標といたしました。湿疹を枯らす事はもとより、湿疹の元凶となっている熱に注目し、胃熱と虚熱を排除すべく、配穴しました。

 主な取穴部位

手技効用
大椎透熱灸清熱(熱を取る)
風門透熱灸清熱
曲池透熱灸清熱
血海透熱灸清熱

 びわの葉温灸

全身の発疹に対して、丁寧に温熱を加える。

下肢は温熱器を使い、やや深め(おおよそ皮膚下、2㌢)に温熱を届かせる。腰より上の部分に関しては 棒灸を使う。丁寧に発疹部分をあたかも消しゴムでけして行く様に、皮膚上をなぞっていく。いずれも、湿性の発疹を乾燥させて行くのが目的である。

(びわの葉棒灸用 温灸器)

【治療後】

【養生】

糖質のカット。旬の野菜をゆっくりとよく噛んで食べること。バランスの良い食生活にすること。

皮膚を清潔に保つこと。等を指示。


<第二回目> ●●年 11月 14日

【身体所見】(置鍼中)

【問診】治療したその日は 眠れた。

【鍼灸治療】前回と同じ。


<第四回目> ●●年 11月 21日

【身体所見】5㍉大の水泡が 左手大腸経、肺経に出現。

【問診】治療したその日と翌日は 眠れた。触るとやはり痒くなる。腰のあたりに、痒みが残っている。

【鍼灸治療】前回に配穴に加え鍼2箇所追加

*びわの葉温灸による施術は、下肢のみ。


<第五回目> ●●年 11月 24日

【身体所見】水泡の消失。皮膚の赤みは残っているが 『核』の存在は消失している。

【問診】眠れている。腰のあたりの 痒みもなくなった。ビリビリとした以前とは違う痒みが下肢を中心にある

【鍼灸治療】11月10日の 配穴に加え鍼3箇所追加

*びわの葉温灸による施術は、無し。

【治療終了後】該当箇所の、痒みは消失。


<第七回目> ●●年 12月  1日

【身体所見】右大腿外側、他所と遜色がなくなる。両腕の水泡の後は 緩解している。

【問診】眠れている。両腕に浅いビリビリ感がでている。表面だけが触ると痒くなっている。足首以下と両腰が痒い。

【鍼灸治療】前回と同じ

【治療終了後】該当箇所の、痒みは消失。

【養生】市販の低刺激の保湿クリームの塗布を勧める。


<第八回目> ●●年 12月  5日

【身体所見】体表面上には 全く問題がない。

【問診】眠れている。木曜、金曜と保湿クリームを塗った。手大腸経、足脾経に乾燥性の痒みが残っている

*びわの葉温灸による施術は、無し。

【治療終了後】該当箇所の、痒みは消失。

【養生】運動をするように 勧める。


<第十一回目> ●●年 12月 29日

【身体所見】体表面には 全く問題がない。

【問診】眠れている。膝窩と下肢外側に触れると痒みが残っている。

【鍼灸治療】前回と同じ

【治療終了後】該当箇所の、痒みは消失。

【養生】市販灸によるセルフケア(三陰交・曲池)一日置きに各所、温感を感じるまで。と指示。


<第十二回目> ●●年 1月 12日

【身体所見】体表面には 全く問題がない。

【問診】眠れている。ときどき サワサワとした感覚がある。運動を始めましたとのこと。

【鍼灸治療】前回と同じ

【治療終了後】該当箇所の、感覚は消失。

【養生】市販灸によるセルフケア(三陰交・曲池)一日置きに各所、温感を感じるまで。と指示。

一ヶ月後に 経過観察と 体調維持管理の為の来医院を求め、本日にて 湿疹の治療は終了とした。

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